インモータルズ感想・つづき

諸悪の根源は何考えてるのかさっぱり分からない最高神ゼウス。手前はテセウスを鍛えておきながら、ほかのオリュンポスの神々には「前から言ってるけど人間に手ェ貸すなよ! ンなことしたらマジ殺すかんな!」と恫喝している。ギリシャ神話だと神様たち結構人間に手を貸すよね。同じくらい頻繁に人間ブッ殺すけど。


殺意はあるが賢さと運のパラメータが零のテセウス一行は行く先々でピンチにあい、見かねたアレスとアテナが手助けに入る箇所がある。これに先立つポセイドンのシーンもそうなんだが、手助けの方法が神様っぽくない。津波起こすのに自分が天上から落ちてきて隕石のように物理的に大波起こすとか、アレスが人間の兵士殺すのにハンマーで直接殴るとか。指先一つで奇跡起こせよ。まあ、とにかく、加速装置付きアクションでテセウスたちを助けたアレスなんだが、直後に降臨してきたゼウスが「人間助けたら殺すって言っただろうがよォォォー!!!」と逆上してアレスをブン殴り、ドラゴンボールばりの勢いで岩盤に突っ込んだアレスは、哀れカートゥーンアニメのような死に様をオリュンポスに晒すことになる(本当)。アテナも同罪だけど愛娘は可愛いので手は出さない。このエロ親父が!


この戦闘で肝心の弓は戦闘犬っぽいワンちゃんに奪われ、賢いワンちゃんがそのまま邪悪な王ハイペリオンに献上。このへんは巫女が見た未来は確定事項で変えられないっていう台詞のもとに進んでるんだろうけど。それにしたって簡単に奪われすぎだろう。もうちょっと頭使え。


「俺邪悪! 逆らう奴は皆殺し!」と分かりやすい殺戮者オーラを終始垂れ流すハイペリオン王。「助けを祈ったのに無視しやがった。神マジ殺す!」っていうありがちな思考の持ち主だが、テセウスに恥をかかされたのをきっかけに投降してきたギリシャ兵を「俺はお前の王ではない。お前が俺のもとへきたのは恐怖に駆られたからであろう。卑怯者め」と一刀両断し、卑怯者の子孫など残す必要はあるまいと部下に命じてハンマーで子種を潰したりする剛毅な王でもある。*1このハイペリオン王(理由はとにかく大軍勢を組織して各地を攻め滅ぼしているんだから大したもんだ)。上記の理由もあってオリュンポスの神を滅ぼす手段としてタイタン族の復活を目指している。つーことは、やっぱり原因は人間助けちゃダメ宣言のゼウス。ホント迷惑な最高神だよ。


スッキリしないこと甚だしい映画でありました。

*1:この映画のクライマックス