CHAPTER0「グランド、ゼロ」その2

残ってた奴に声をかけてみることにする。まずはどっかの女子校の制服着て腰に刀をぶら提げた女。道で会ったら速攻で180度急旋回して逃げたくなるタイプだが、これからマモノを相手にしようってときに既に刃物を持ってるってのは心強い。さっきの話によると、ここに集められてるのはそういう物を扱うのが特別に上手い奴揃いってことだからな。
「あー、えーと、そこの人」
「…わたしのことか?」
「そうそう。あのさ、アンタも集められたんだろ」
「そうだ。いきなりだったのでこれしか持ってこれなかったが」
言いながら、なにやら不満そうに腰の刀を揺すって見せる。
…そういう問題じゃねえと思うが。
「まだ外に居るってことはチーム組んでねえんだろ。良かったら俺と組んでもらえないかなと思ってさ。いきなりで困るだろうけどそこはお互い様ってことでさ…」
「いいぞ」
「…まあそう言わないでくれよ。正直に言うと俺はあんまり強くないって言うか、って、え、ほんとに?」
「うん。ひとりで入るのは危険だと先程の教官が言っていたからな。だが知り合いの一人もいないし、どうしたものかと思案していたところだ。これも何かの縁だ。一緒に行こう」
「それで都庁のほう睨んでたのか」
「?」
「いや、いいんだ。有り難いよ。俺はピートってんだ。よろしくな」
「わたしのことはムラサメと呼んでくれ」
そう言って右手を差し出してきたムラサメの手を握り返す。おお、女の子の手だ。やわらけー。女の子の手なんて握るの何年ぶりだろう。やばいちょっと感動してきた。でもそろそろ離さないとな。せっかくチーム組んでもらった早々に助平野郎と認識されるかもしれん。チームの話を取り消されると困るしな。


「さて。これで2人だが教官は3人チームが良いと言っていただろう」
こっちの気持ちなんぞお構いなしに握手をひっこめると、ムラサメはそう言ってきた。
「そうだな。でも、残ってる奴なんか…」
「あー。そこのおふたりさんや。ちょっとといいかな?」
いきなり後ろからかかってきた声に、俺とムラサメは慌てて振り返る。ちょっと待てさっきまで誰もいなかったろ! ムラサメの手が刀にかかっているのがちらっと見えた。すると、ムラサメも気付いてなかったってことか。
にこにこと人懐っこい笑顔でそこにいたのは、たぶん歳は俺やムラサメとそんなに変わらないだろう黄色の上着とショートパンツの女の子だった。
「いやー。邪魔しちゃ悪いかなーと思ったんだけどさー。こっちも事情があってね?」
「邪魔とはなんのことだろう」
「えー? だってさっきさー手なんか握っちゃ」
「何か用があるから話しかけたんじゃないのか?」
余計なことを言われる前に割って入ることに成功。よし、流石だぞ俺。
「ああ。うん。そうそう。忘れてた。君らってまだ2人なんだよね。あたしも入れてくれないかなあって思って」
「本当か! これで3人揃ったぞ!」
「うん揃った揃った! おーけーいえー!」
あっという間に意気投合したらしい2人。いや、文句は無えけどさ。一言くらい何かあってもいいんじゃないかなって。
「どうしたピート。行くぞ。ぐずぐずするな」
「そうだぞー」
「あー。ちょっと待てよ。名前、まだ聞いてないぞ」
「おっとそうだったね。あたしはハヤテ。特技はこれ」
ひゅんひゅんとシャドーボクシングして見せてくれるハヤテ。
「よろしく!」


あれ。
ひょっとして俺肉体的には一番弱いのか。

キャラクター1
名前:ピート
職業:サイキッカー
外見:サイキッカー
プレイヤーの分身となるいわゆる主人公ポジション。
上記の理由により選択。名前はサイキッカーって超能力だよね→SFか→じゃあアレの猫の名前で。


キャラクター2
名前:ムラサメ
職業:サムライ
外見:サムライ女
黒髪! 制服! 刀! 結婚してくれ!
名前は南総里見八犬伝村雨丸から。カタナという名前にしようかと思ったがどっかで被ってそうなのでやめた。


キャラクター3
名前:ハヤテ
職業:デストロイヤー
外見:デストロイヤー女
アッパー系の性格でスピードファイターっぽいので疾風。
公式サイトの堂動画見ると宇宙から落下してくる荒業を習得するっぽい。