赤黒

第2大地【丹紅ノ石林】へ。
赤ッ!
黒ッ!
ところで何て読むんだろ。「たんこうのせきりん」?
羊が跳ね回るのを横目にMAPをうろうろ。
結果ふたつの迷宮を発見。
1、瘴気の森
2、深霧ノ幽谷
ただし後者は気球艇が到達できる高度よりも更に上にある。
「届かねえじゃん」
「『心当たりがあるなら探せ』ったって何も無えぞ」
「レア食材くれって言ってくる気球艇の奴らってうちらより高い高度飛んでね?」
「それだ。行ってみよう」
しかし会話してもレア食材あげても、気球艇の話はひとつも出ない。
「おやあ?」
「違うっぽいな。小迷宮に潜って何かないか探してみよう」
「しかしあいつら、当然のように新大地に居るのな。納得いかねえ」
釈然としない気持ちを抱きつつ。


いかにも何か有りそうな名前の『瘴気の森』。
一歩踏み込むと強烈な臭気。
「こいつはくせえッー! ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーーーッ!!」
「嬉しそうだなオイ」
「いっぺん言ってみたかった。じゃあ行くか」
小部屋に入るといっそうヒドイ臭いになる。
それでも進んでいこうと足を速めたところで急に意識が朦朧としてくる。
「ううッ…!」
「おい寝るな! こんなところで…」
気を失う直前に何か聞こえたような気がするが、
もう抵抗する気力も残っていなかった。


「……あれ?」
「ここは地獄か天国か?」
「お前らが居るってことは天国じゃなさそうだ」
「ご挨拶だな」
パーティが意識を取り戻すと、さっきの小部屋の入口のところだった。
「気が付いたか」
「えー。どちら様でしょう?」
「耳とがってるよ(囁)」
「耳とがってるな(囁)」
「ちょっと触らしてよ」
「そんなことはどうでもいい。人間たちよ。一度だけ助けよう。一度だけだぞ」
「あ、ちょっと!」
こっちの話には耳を貸さず、さっさと立ち去ってしまう。
「ああ言ってたが」
「ハイそうですかと引き下がれるワケあるか。要は吸わなきゃいいんだろう」
息を止めて十歩だけ歩けるからその間に何とかしろというメッセージ。
小部屋の壁沿いに扉を探し、出て入り、出て入り、を繰り返して進んでいく。
この小迷宮のFOE【貪欲な毒蜥蜴】は動きがトロイが油断は禁物。
小迷宮北側奥の通路で採掘すると【藍夜の破片】が出る。
こいつが気球艇の改造に必要らしい。


街へ戻って交易場の兄ちゃんに破片を渡す。
「こいつがあればもっと高くまで飛べるだろう。さっそく改造しよう」
「よろしく」
改造の最中、気球艇のことや辺境伯のこと等をしゃべる兄ちゃん。
ふーん。空から落ちてきた、ねえ。
「よし。改造完了!」
「さすがに早いな。ありがとさん」
「いいってことよ。頑張れよな!」
我らの気球艇『スカイラーク』に上昇機能が追加された!