伝説か神話か真実か?

すぐにでも追いかけたいところだが、こちらにも準備がある。
最悪戦いになることも考慮してしばらくレベルアップと装備の新調に専念。
だいぶ力もついてきたと判断し、階段を降りていくことにする。


着いたのは和風と中華風を混ぜこぜにした様な奇妙な集落。
なんだか歓迎されてないような居心地の悪い空気を感じるが、
巫女のシウアンは精一杯歓迎してくれているようで和む。
「本当に来るとはな」
「図々しくなきゃ冒険者なんてやってらんねーよ。参ったか」
「そこまで言うなら、我ら『ウロビト』が人間を歓迎しない理由を教えてやろう」
そう言うとウロビトに伝わるという伝承を語り始めるウーファン。
要点を纏めると、
1、かつては色んな種族が世界樹の恵みのもとで平和に暮らしていた
2、しかし世界樹を欲する巨人が現れ、災いがもたらされた。
3、人間はさっさと見切りをつけて逃げ出したが、逃げなかった人間(ひとり?)とウロビトが協力して
  世界樹を求めた巨人を退けた。
4、そしてウロビトは今でも世界樹を守っているのです。


「メデタシメデタシ、か」
語るだけ語って、さっさとパーティを里の外に追い出したウロビトたち。
重く固く閉ざされた門はウロビトたちの拒絶をそのまま形にしたようにも思える。
「どう思うよ?」
「ウロビトが伝承を信じているのは事実です。ただ、比較検討する材料が無い以上、真贋の判定は難しいですね」
「そういうのは学者の仕事だろう。うちらの役目は動き回ることだな」
いったん街へ戻って辺境伯に事態を報告しろとの指示。