謎が謎を呼ぶ新キャラ!

さらに進むと迷宮のド真ん中に幼女ひとり。
「こんな場所に幼女。解せぬ」
「トラップだろ絶対。かと言って無視もできん。こっちの振る舞いを誰かが観察してる可能性もある」
「性質の悪いゲームマスター相手にしてんだなお前ら…」
とりあえず善人ぶって声をかけてみようと思ったので実行。
「おいそこの! おまえ!」
「…!?(ビクッ!)」
「もうちょい言い方考えろボケ!(脇腹を小突き)」
「あー。その、なんだ。見ての通り我々は決して怪しい者ではない。タルシスの冒険者だ」
さらに会話を続けようとしたが、物陰から何かが突然飛び出してくる。
昼でも薄暗いダンジョンの中だということを差し引いても、こんなに輪郭がはっきりしないのは尋常では有り得ない。
だが、こちらに叩きつけられてくる殺気と悪意は本物だ。
「上等だよ。殺す気でかかってんなら、返り討ちにされても文句言うなよ?」
出てきたのは『半透明の人影みたいな奴』としか表現のしようがないモンスターでやたら回避率が高い。
すげえ焦ったが、デニスのレッグスナイプで足を縛って回避を封じればいいと気付き、
そのあとは一体ずつ仕留めていく。


「手応えが奇妙なモンスターだったな。今まであんなの見たことねえ」
「助けてくれてありがとう! ねえ、あなたたち、人間でしょう?」
目をキラキラさせて話しかけてくる幼女キャラ。
好意的に接してくれるのは嬉しいが、そもそもなんでこんな所にいるのか?
「巫女! なりませぬ!」
「あ、ウーファン! ねえ、人間だよ。わたし以外の人間!」
巫女と呼ばれた幼女に鋭い言葉を投げかけたのは、いつぞや助けてくれた耳尖ってる女性。
「あんときは助けてくれてどーも。ところで色々と聞きたいことが…」
「またお前たちか…。巫女を救ってくれたことには礼を言おう。だが早々に立ち去ってもらいたいものだな」
「おいおい。それが巫女サンを助けた恩人に対する態度か? ん?」
「くっ…分かった。確かに恩は恩。それにかつての縁もある。我々の里まで来るといい」
言いたいことだけ言うと、さっさと迷宮の奥に姿を消す。
一方的に嫌われている気がするが、特にこいつに何かした覚えは無いけどな?
「ツン期だからだろ」
「馬鹿言え」
取り残されたような気分のせいか軽口にも冴えが無い。